寿司。この食べ物はなぜこんなにも人を惹きつけるのだろうか。
どんだけお金がなくとも、食べたくなるとその欲求はとまらない。
そんな貧乏人のために、世の中にはく◯寿司やかっ◯寿司などの100円回転寿司チェーンが適所に配置されている。もちろん僕も貧乏人の例にもれず、定期的に回転寿司に通って寿司欲を発散している。
最近は回転寿司のクオリティもかなり上がっており、へたな食べ放題系寿司屋よりも100円寿司のほうが美味しかったりする。
さて、そんなチープな寿司生活を送っている僕らに、ある日突然高級寿司屋のお誘いが来た。
中高時代の嫁との共通の友人から食事に誘われ、最初は気楽なつもりで参加する予定だったのだが、詳しく話を聞くと ん?(友人のお金持ちの)お母さまも来るの??え??場所は新宿のホテル..??え..?ちなみにお店の名前は...?
え!?えええ!?きゅ、久兵衛!?!?!?
こわいこわいこわい!なんで!?
久兵衛といえばオシャレ街銀座に本店を構える、国内でも屈指の有名寿司屋..
いわゆるザギンでシースーの寿司だ。高価いに決まってる。
なぜそんな寿司屋に我々庶民がお呼ばれに!?なんか怖い依頼とかされるん?
そんな心配をしながら、手持ち唯一のやっすいジャケットとパンツで身を包み、現地に到着。仕事で少し集合に遅れてしまったので1人で入っていく形に..
おおう...結構威圧感あるな。京王プラザホテル..
久兵衛は京王プラザホテルの7F。上のほうに行くにつれて、やばめの空気が漂ってきます。
エレベーターを降りると意外なほどこじんまりとした廊下の先に看板が。
スシテンプーラオコノミヤーキ!とっても外国人向けな店舗たちのなかでもひときわ高そうな雰囲気が漂っている..急に自分の格好が恥ずかしくなってきます。
意をけっして中に入ると、感じのいいお姉さんに席に案内されます。
案内されたのは個室。当然皆さま先にご到着されてて..ええ?お父様もいるやん..!
奇妙な会が始まり、仕事の話などをしていると先付けのアンキモがでてきました。
あん肝は結構好きで、お店でも見掛けるとよく食べるのだが、、もう別格!!
締まっていながらも口に入れるとほどけ、上質な脂とうまみが広がる..!
すっごく写真が撮りたかったが、場の空気に圧倒され断念..無念..!
つづいてお刺身の盛り合わせが出ました。
車海老、本マグロ、真鯛、アワビの4点盛!
なんやこのエビ..こんな透き通ってるエビの刺身見たことないぞ。
ツンっ!ビクビク!ああああ!動いだあああ!
活けを捌きたてで提供されるため、まだ動くんですよ、このエビ。
とっても甘くて考えられないほどブリっブリの海老でした。もちろん他の3点も美味しかったです。海老が美しすぎて「アア、折角だから撮っちゃお」とボソッと呟いてきょどりながらさっと撮影。
刺身を食べ終わると、お席空きましたので、とカウンターの方に通される。
カウンターに来るといかにも高級!という空間。だがどことなくアットホームな雰囲気もあり居心地はかなりいい。友人家と対面じゃなくなり気まずくなくなったのも大きいと思うが。
着席すると、焼き物が登場。太刀魚の塩焼き。
これまた上品な脂が溶け出す絶品。バター使ってる?というほど濃厚な脂の旨味。
さらに続けて大トロのステーキが来ました。
魚とは思えぬ弾力と脂。割と若者向けの味です。ご飯3杯くらいいけそう。
なんなんだこの魚オイルの暴力たち..!旨すぎる!
こんな上質な脂毎日摂取できたら、余計なポテチとか食べなくて太らなくなるわなあ..
焼き物が終わり口直しの一品が出ます。
大根に梅肉とシソが挟まったもの。シンプルでさっぱりしてて、とても美味しいしタイミングバッチリ!
口直しを食べ終わると、お寿司が出始めます。
まずはトロ。
これはもう説明の必要がないですね。
マグロ特有の上品な脂が口の中で弾けます。シャリも我々が普段口にしている、庶民向けの寿司よりやや小ぶりな抜群のサイズ感。
続いては超高級魚としてお馴染みのノドグロ!
もう脂がてりってりに乗っていて、玉脂が煌めいています。文句なしにおいしい!
この日一番美味しかった寿司かも..
お次はスミイカ。
こちらは松笠切りが施され、美味しいお塩でいただきます。
イカ特有の優しい甘味が、塩によって引き立てられとっても美味しいです
次はアカガイ。
僕の好きな貝の一つで、きゅうりのような爽やかな風味が特徴的。
鮮度が落ちるととたんに美味しくなくなってしまうのですが、久兵衛のアカガイは当然美味しい。
お次は本マグロ赤身!
寿司の王様とも言える赤身の登場です!
あれ?赤みってこんなに複雑な旨味だったっけ??と混乱する味わい。
普段はあまり食べないマグロの赤身だけど、やっぱりいいやつは旨いなあ...
続いてはコハダ。
これまた普段はあまり食べないシリーズです。コハダで寿司屋のクオリティがわかる、なんて言ったりもしますが、このコハダは100点でしょう。酢と塩気のベストなバランス。立ちすぎていないコハダの個性。美しい銀色の表面と切れ目。完璧です。
次はカマスのこぶ〆。
カマスといえば塩焼きが一般的だが、生も結構旨い。
程よい脂、そして程よく水分が抜けた締め具合は昆布の旨味とカマスの風味にベストマッチ。
ここで一度お吸い物が出てひと段落。
えげつないほど濃い出汁の、ぷりっぷりのハマグリのお吸い物でした。
お吸い物が終わると、ついにきました!ウニ!
ああ、いいウニって本当に美味しい...いつも安いうにに手出して後悔するんだよね..
ウニに溺れたい...
ウニの余韻が冷めないうちに続いて登場はアナゴ!
ホクホクでふっくら柔らかい身に、味わい深いタレが絡んで文句なしにおいしい味です。
そして一連のおまかせのラスト!巻物五種が登場です。
左からかんぴょう、カッパ、トロ鉄火、タクアン、なんかの煮物?です。
煮物だけなんだかわからなかったが、たぶんシイタケ。美味しかったです。
いやー!美味しかった!と思っていたら、もう少しいけるでしょ?食べなさいとお父様から言われて(ありがたいけど)、迷っていたら貝好きそうだから、と貝5種類全部追加注文...!
貝1個めはホッキガイ。
いい歯応えと甘味。臭みなど全くありませんね。
貝2個めはタイラギ。
初めて食べましたけど、さすが最高級貝柱と言われるだけあってとても美味しい。不思議な食感です。甘い。
貝3個めはツブガイ!大好きですツブ貝!
こりっこりの食感。不思議な切れ込みによって食べやすくサクサクコリっとほどよい歯応えです。
貝4個めはミルガイ。
2枚貝最高級とも言われるミルガイ。初めて食べました。
うん、美味しい!いい食感です!甘味も食感もバランスがいいですね。
貝5個めの〆はハマグリ煮です。
これは想像通りの美味しさ。いや、こんなに美味しいハマグリは初めてなんですがね..
なんというか、締めにふさわしい上品な一品でした!
まとめ
・京王プラザホテルの久兵衛は意外にも威圧感はない。むしろ居心地がいい。
・値段は残念ながら不明。ただ、庶民がフラッといける値段では無い事は確か。恐らく今回僕が食べたメニューは3万以上だと思う..
・もしいける機会があるならば、臆せず積極的に行ったほうがいい。人生経験として。
・もう一回だけでいいから、人生のうちに行ければいいなあ...
とにかく美味しい美しいに尽きます。 いける財力の方はぜひ!(連れてって。)